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たんぱく質の”質”って?

ダイエット学

今回は、筋トレやダイエットにおいて重要視されるたんぱく質についてお話ししたいと思います。

たんぱく質は、私たちの体を構成する基本的な栄養素であり、筋肉や骨、皮膚、髪、爪などの組織や、ホルモンや酵素などの生体物質の材料となります。また、免疫力を高めたり、エネルギー源としても利用されます。

ただ、大量に摂ればいいというわけではありません。たんぱく質を摂る際に気を付けたいのはその”質”です。どういうことかというと、たんぱく質は、約20種類のアミノ酸から出来ていて、そのうちの11種類は人間の体の中でほかの栄養素から作り出せるのですが、残りの9種類は人間が体の中で作ることができず、食べ物から直接摂取しなければなりません。この9種類は

  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン
  • リジン
  • スレオニン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • ヒスチジン

というアミノ酸で、これらを必須アミノ酸と呼びます。

このうちのバリン、ロイシン、イソロイシンはBCAAという名前でサプリメントとして販売されており、9種類すべてを含むものはEAAとして販売されているので、トレーニングをしている方には聞きなじみのあるものだと思います。

そして、たんぱく質の質が良いというのは、この9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるということです。そして、このバランスを表す指標としてアミノ酸スコアが用いられており、100点満点で表されます。

例えば卵やお肉はアミノ酸スコア100ですが、白米はリジンの含有量が低いためアミノ酸スコアは65となっています。アミノ酸スコアの低い食品がダメか?というとそうでもありません。さっきの白米の場合だと、リジンを多く含む大豆等と一緒に食べることで補うことができます。たんぱく質は一つの食材からとるのではなく色々なものを食べたほうが良いということですね。

では、ここで「アミノ酸プールの桶理論」という考え方を紹介したいと思います。これは必須アミノ酸を桶(おけ)に例えたもので、以下のような図で表されます。

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A B C D E F G H
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この図では、AからHまでの8種類の必須アミノ酸を桶の板に見立てています
(ヒスチジンは省略しています)。桶の中には水が入っており、これはタンパク質の生成量を表しています。桶の板が高いほど、そのアミノ酸は多く含まれているということです。

もし、すべての板が同じ高さであれば、水は桶いっぱいに溜まります。これは、必須アミノ酸がバランスよく摂取されている状態で、タンパク質の生成が最大限に行われることを意味します。

しかし、現実にはそうはいきません。食品によって必須アミノ酸の含有量やバランスは異なりますし、個人差や体調によっても必要な量は変わります。したがって、桶の板は不均一になります。例えば、以下のような場合を考えてみましょう。

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A B C D E F G
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この図では、Hというアミノ酸が欠けています。この場合、水はHの板の高さまでしか溜まりません。つまり、Hがタンパク質の生成を制限することになります。Hが不足するということは、他のアミノ酸も十分に利用されないということです。これを「制限因子」と呼びます。

では、この状態を改善するにはどうすれば良いでしょうか?答えは簡単です。
Hを補うことです。
Hを補うことで、水は桶いっぱいに溜まります。

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A B C D E F G H
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しかし、これで終わりではありません。もし、Hを過剰に摂取したらどうなるでしょうか?例えば、以下のような場合です。

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A B C D E F G H
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この図では、Hが他のアミノ酸よりも高くなっています。この場合、水は他のアミノ酸の板の高さまでしか溜まりません。つまり、Hが余ってしまいます。Hが余るということは、他のアミノ酸も十分に利用されないということです。これを「抑制因子」と呼びます。

では、この状態を改善するにはどうすれば良いでしょうか?答えはやや複雑です。Hを減らすことも一つの方法ですが、それだけでは不十分です。他のアミノ酸も増やす必要があります。他のアミノ酸も増やすことで、水は桶いっぱいに溜まります。

このように、特定のアミノ酸だけを大量に摂取しても
たんぱく質から受けられる恩恵は少なくなってしまうことがわかります。

たんぱく質の「質」をあげるためには
色々な食材からまんべんなく栄養を摂取し
偏った食生活を送らないことが重要です

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